お花見デート♪夜桜の下、時春の膝枕で…
サンプル
レビュー
まず、前作と比較して安眠性能がかなり高まってます。この作品は寝られます。レビュワーは不眠がかなりきつくて寝られる作品を探しています。そのうえで高い評価をつけたいです。
前半のお花見のくだりですが、非常にこだわりを感じられます。人間が2人以上いると、そこには必ず距離感というものが存在します。音声作品のなかで表現される俺くんとキャラクターの距離感はさまざまですが、このシリーズではふたりの親密な関係が強く表されています。
桜並木を並んで歩くときの互いの位置関係と距離であったり、遠くにお囃子の聞こえる場所を見つけてからの、時春が座敷のどこに座るかという物事で、時春が俺くんとの間にどういう親密性を選択したか、求めているのかが音声で表現されています。
時春は敬語とくだけた口調を混ぜて使います。時に甘えたり他愛のない冗談をいったりします。だけど慣れしいわけではありません。そういった距離感がこの作品にはあります。
作者様はci-enで前作よりえちと書かれていますが、この文句に間違いなしです。音声作品でR15といえばおむね耳舐めのことを指しますが、この作品ではキスシーンを指しています。ですが、間違いなくえっちです。それは時春がえっちなことをしていると時春自身が感じているから。そしてそれが距離感の演出と演技で表現されているからです。
この作品のなかの俺くんと時春のあいだにはきっともっとえっちな出来事もあったことでしょう。えっちじゃないこともたくさんの出来事がふたりのあいだにはあったはずです。
「ねえ、明日も予定あるでしょ。早く寝ないとだよ」というセリフがトラック8に出てきます。このまキスをしていて早く寝なかったらどうなるのかを時春は想像できて、知っているということです。えっちですね。ですが、この作品と聴取者の距離感は、「お前さん」と時春の間にあった全ては安易に描写しないという挑戦的な作品です。