おすすめレビュー
彩和矢さん演じる羽立佳月さんの、絹のような柔らかさを持つ繊細な声色に、終始耳がぽーっとなりました…佳月さんの実母の身に起きたことから「人間には感情があり脆く、人を好きになると壊れてしまう」と考えるようになった彼が、「家族に愛されたいなんて思わない」「僕は誰も好きにならない」と感情が読み取れない声で言い切る姿はとても辛いものでした。ヒロインは佳月さんと似た境遇ではあるもの、彼に喜んでもらおうとする姿から彼に惹かれている…という心情の変化を感じることができるので、感情移入がしやすかったです。
ヒロインに対して愛おしそうにしつもどこか一線を引いていたり、優しさに触れて戸惑いを見せる佳月さんの繊細さがとても良かったです。自身の感情を「人形に対する愛おしさ」であると抑え込んでいるのが声や間から伝わってきました。そんな彼が主人公から好きだと伝えられて激しく取り乱す姿は、彼の心の傷の深さを目の当たりにするようで苦しかったです。普段の穏やかな声色から乱暴な声色への変化は、怖さよりも悲しみを感じます。最後に零す「逃げて」に隠れている彼の本音は、是非実際に聴いて感じてみてほしいです。
ヒロインは周囲から「内気で繊細で優柔不断」と言われる性格のようですが、拒絶する佳月さんから逃げず、好きであることは怖いことではない・好き合っていれば大丈夫だと佳月さんに伝える姿に好感が持てました。そんなヒロインの言葉を受け止めて佳月さんも好き合うことを選びますが、彼の負っている傷があまりにも深すぎて、最後のトラックやがるまに特典トラックでもなお、不安定な彼の心が見え苦しくなります。ですが、佳月さん自身もヒロインを信じたいのに不安になってしまう…という己の葛藤を自覚しているので、これから共に過ごしていく長い時間の中で、何度も「愛してる」と伝え合って、心から安心を感じ、幸せになれる時がくるのではないかなと思いました。 人形作家である夫は、あなたを昔なくした人形だと言って愛してくれます。どうして頑なに人形だと言い張るのか、その理由は、彼の過去にありました…。
歪な愛しか知らない彼は、あなたにも歪な愛を向けます。その愛は重く執着的で、狂気すら孕んでいて…でも、それが彼の知る唯一の愛し方なのです。
彩和矢さまの、綿菓子のようなふわなお声がとてもよかったです。彼の向ける歪な愛が、可愛い声音の中にひそんでいて、その危うさが魅力でした。そして、情緒が不安定になると、穏やかだった口調が途端に荒々しくなる豹変っぷり…落差のある演技も最高でした…!
ラストは、狂気に彩られた愛のある(何度も言うように、歪ですが)メリバ。
執着的に偏愛されたい、ヤンデレ好きさんには刺さる作品だと思います。
さて、こまでは通常版と同じレビューで、こからは特典の感想を…(作品好きすぎて特典コンプしました、汗)
時系列的には、
ステラワース→アニメイト→DLsite となるようで、こちらの特典は時系列的にはラストになります。
彼に激しく抱かれたあと、愛を疑われているのが辛いと言って泣いてしまうあなた。彼はあなたを信じてはいるけれど、不安なのだと告白し、嫌われたくないからもう束縛しないと誓うが…
束縛されなくなった途端、不安になるヒロインの気持ちがすごく伝わってきました。
そして最終的には、彼の腕に搦めとられ、落ちていく…この流れがとても良かったです。あなただけではなく、彼もまた、あなたに縛られている…まさに共依存の関係! 共依存の関係が好きな方には、とても刺さる内容かと思います。
時系列的にもラストなので、物語が綺麗に完結していて、とっても良かったです。湖底に沈み、愛を確かめ合いながら生きていくふたりが見えました! 雨の痕、雨の痕外伝のシリーズが好きなので購入しました。
最初はそれぞれ一族の厄介者同士の政略結婚の話をしていたのに突然『昔失くした人形』だってすぐに分かったと戻ってきてくれて嬉しいと夢現に話し始めます。
そのま熱に浮かされた譫言を零すような状態で行われるトラック1での行為がとても倒錯的で蕩けました。
彩和矢さんは本当にこう言うお芝居がお上手だなと感心してしまいます。
中盤ヒロイン同様こんなの好きにならずにはいられないのに「心はいらない」「好きなんて言うな」と本当は誰よりも愛を欲している彼が言うのが切なく悲しかったです。
最終トラックで心が通い合い、いざ優しい行為の始まりかと思ったら一転不穏な雰囲気を纏って始まる行為にさすが雨の痕シリーズと唸りました。 雨の痕外伝のシナリオと世界観が大好きで、シリーズ全てを購入しています。
今作も事前予約をさせて頂いた上で、発売されるのをとても楽しみにしていました。
全作品とも、世間には隠された出生や生い立ち、毒親などによって植え付けられた価値観や自己否定感などを抱え、独り寂しく育った主人公が唯一心を開けるヒロインに向ける歪んだ愛情を狂おしくも切なく描いています。
シリーズの題名に入っている通り、主人公の気持ちが乱れる際の共通のトリガーが雨なのですが、その理由がとにかく悲しくて辛いんです。
今作のCV彩和矢さんは、耳元で話す吐息混じりの声が本当に色っぽくて、人形作家というアーティスティックな役所と相まって、作品の世界にどっぷりハマれました。
凄く良かったです。
親からの愛は無くても社会から孤立しても。
隔離された世界でお互いだけが唯一と知り寄り添い続ける一生。
そんな異様な関係、でも特別な究極の愛の物語りです。
全作品ともシナリオが本当に素晴らしいです。
気になるストーリーや声優さんからで良いので先ずは1作、是非とも聴いて欲しいと思うシリーズ作品です。 ステラワースさん、アニメイトさん、そしてDLsiteさんと三形態の特典があり(いずれもボリューム大)、本編が終わってからも二人の世界をじゅうぶんに楽しむことができて大満足でした!
トラック1から大事にしたい、と丁寧に愛してくれます。「君に見つめられるとうれしいのに、同じくらい胸が苦しい」そんな繊細な心情をぽつりと言葉を溢す声に聞いているこちらまで苦しく切なく感じました。彩さんのお芝居が、伝えたい感情が漏れなく届くような感覚でした。本当にとても素敵です…!
作中ヒロインのためにあるものを用意することがあったり、誰かを思える優しい羽立くん。彼の固く閉ざされた心に、拒絶されることがあっても寄り添うヒロイン。似たもの同士がだんと共依存していく様に二人が出会えてよかったと個人的には少し救われたような気がします。
羽立くんの繊細さも魅力的ですが、何より蕩けた甘い声で愛される行為シーンがとっても色っぽくてどきしました。彩さんの舐めながらふにゃと耳元で話すお芝居が良すぎる…!すごくえっちです…!
心を持つことや感情の動きが苦手な彼ですが沢山「可愛い」と伝えてくれますし、彼なりの愛を目一杯感じられます!出会いから結ばれたその後まで、移り変わりが素敵な世界観なのでぜひ特典まで聞いていただきたいです。 最初は達観して冷めた感じの人形師佳月君ですが、二人きりになると途中から様子がガラッと変わり…。
ガチの人形扱いとかヤバい奴。なんだけど物凄く褒められながら執拗な抱き方されるので、何か流されてしまう雰囲気…。でも実は彼、本心からイカれている訳ではなく、ヒロインが人形ではないとわかっているし、行動にも理由があります。
突き放されたりもするけれど、今作ではヒロイン側から歩み寄ってくれて、救いのあるラストになったのが良かった…ですが、やはり病んでるので最後の「フッ」って笑い声が怖過ぎて最高でした!
雨の痕シリーズの男性達は、ねっとりした攻めが多いんですが佳月君もそうで、彩和也さんの甘めの声と演技がめっちゃ合ってました。
特にキス音、耳舐め音はかなり水分多めのねっちょり系なので、好まれる方は必聴です!
本編だけでなく、特典の再生時間が長めで内容も良いので、おすめします。
あらすじ
議員である義父の地盤固めのため、羽立グループの次男・佳月と政略結婚することになった末娘のあなた。
佳月は一人、人里離れた別宅に閉じこもりビスクドールを作り続けている変わり者で、一族からも疎んじられておりあなたは厄介者を押し付けられた形だ。立場上、あなたに断る権利などなく、あっという間に事は進んでしまう。
だがあなたは元々佳月の作る人形のファンだったことや、見合いの席で会った本人が穏やかで優しそうだったことからこの結婚はそう悪いものではないと思っていた。
しかし結婚後、初めて二人きりになると、彼はとんでもないことを口にする。
「いつか僕の元に戻ってきてくれるって信じてた。ありがとう」
佳月はあなたのことを『昔失くした人形』だと主張し、偏愛していく……。
○登場人物
羽立佳月(うりゅう かづき)
26 歳 身長 175cm
(CV.彩和矢)
羽立家の次男で、ビスクドールの人形師。
高校の時から本格的に人形制作を始め、
今では『羽月』(うづき)という名前で
個展開催やドール写真集を出版するほどの
人気作家になっている。
ただ、妾の息子という噂もあり、
そのため羽立家からは疎まれる存在のようだ。
ふわりと柔らかい表情をしているが、
どこか得体のしれない空気をまとっている。
○雨の痕4 あなただけ知っている DLsite特典
○タイトル
『湖底に沈む』
○ストーリー
時々発作のようにあなたの愛を疑い、そして強く求める佳月。信じてもらえない虚しさに思わず泣いてしまうと、佳月は嫌われたくないからもう束縛しないと言う。
佳月によそよそしくされる度、あなたの中で不安と悲しみが大きくなっていき……。