おすすめレビュー
甘いものと温かい飲み物を手元に用意しておいてください!(緊急避難用)カナリアレコードさんは演じるベテラン役者さんも唸らせる作品を数多く生み出すことに定評があります。魅力的だが癖のある、隠れていた性癖にピンポイントでぶっ刺してくる、妥協がないから容赦もない、そういう作品ばかりです。褒めています。
昭和の文豪のやべえエピソードは、現代で一般人として生きる人にとってはドン引きする程やべえものもあるんですよね。このシリーズでもあちこち出ます。
個人的には、この藤村さんのストーリーが一番SAN値試されました。もちろんフィクションですからね、フィクション、本当に起こったことじゃありません。
でも、かつて本当にあったあの小道具とかこのエピソードとか出てくると昭和文豪の闇を感じるんですよね…。
でもねー、役者さんの演技が鬼気迫っていて、濡れ場は心底どえろいんですよ。愛と死の物語なので、生きるための愛はほぼないから、愛し方も死ぬほど愛してくれます。最後まで貪られるように愛されます。
本編最後の場面で衝撃を受けた時は、キャストークにそのま滑り込みつ、手元の甘味やお茶で心をケアしてください。 ストーリーがしっかりしていて、執着があってよかったです。
佐和さんの穏やかな声や、狂気を纏った声がとにかく最高でした。
ヒロインが生まれた頃から執着しているのには驚きましたが、その愛の重さ含めて楽しみました。
病気で段々身体が弱っていくにも関わらず、注射打たれて行為がなされたりして、ほんと狂気的な愛だなと思いました。
作品の紹介文にもあるように、やんわり死が連想されるような描写ですので、そういうのが苦手な方はお気を付けてください。 最初はほのぼの聞いていたのも束の間、ジェットコースター並みな速度で距離を縮めてくるお兄ちゃん。逃げ場もない、こちらの気持ちなんてお構いもない。実兄も酷いけどこの人に引き取られてまだ良かったかな…とおもったのはなる早でしたw
詳しくは聴いていただくとして、佐和さんの芝居が光る。この方本当に感情の揺れ動きを言葉や吐息で操るの上手い。
ちょっとした声の拾いもお手のもの。さすがダミヘ使いのスペシャリスト。拍手しかでませんでした。
トラック7のある部分のSEを聴いたあとのトラック8本当に最高でした。
この2人がやっと2人きりになったきっかけはあまりよくなかったけど、彼には絶好のチャンス。彼の思い込みは凄く一方的で好き言えのものではあるけれど、彼女にとってどうだったのか…は、神(シナリオライター)のみぞ知る。
彼女を思い未婚だったんだよなぁ…。
長い片思いの終止符に”愛し合った”ことは彼が生涯を閉じるまでずっと胸の中にあることでしょう。
自分に置き換えて、共に一緒に歩んだ伴侶に看取られる時にこうやって自分を好いて泣いてくれる人がいるならば、生きていた価値が少しでもあるんじゃないかとおもいました。彼女にとっても少しだけ救われた二人暮らしでありますように。 叔父に、実質売られてしまったヒロイン(しかも最初は本人知らない)。
何も知らないヒロインは、久々の再会に胸を躍らせるが、彼が思い出を語り出すと、だんと雲行きが怪しく…。
当たり前のように語られる、結婚の約束。
え、まさか、子供の頃の「大きくなったら、お兄ちゃんのお嫁さんになる」的なあれですか? それを本気にしているあたり、ヤバいのですが…ヒロインのへその緒を所持している告白は、もはやホラーでした(い意味で、笑)
そして、ヒロインに好きな人がいると分かると、彼の狂気のスイッチがONになり、無理やり抱かれてしまいます。
この演技がまた、狂気にみちていて良かったですね。
このま普通の監禁陵辱ものになるのかな、と思ったら、ヒロインの体調が悪化し、どうやら助かる見込みがなさそうな雰囲気。
こからが、彼の狂気の真骨頂でした。
死にゆく人にこんなこと聞いちゃうのか!? など、常軌を逸した言動の数々。いや、凄かったです。演者さまの演技あってこそのリアリティある狂気。
最後の台詞も、色々想像出来てよかったです。
演者さまの圧巻の演技、巧みな心理描写、綿密なシナリオ…それらが絶妙なバランスで作品を作り上げていました。
三作品中、この作品だけ号泣しました。
とても聴きごたえのある作品です。
あらすじ
様々な文化と価値観が日本に入り、人々も世間も混沌としていた時代。
そんな時代において、人気・実力共に傑出しながらも、悩乱を抱えた文豪達がいた。
ある者は己の生き様を、またある者は他人の生き様を、物語にして世に残した――。
園原藤村(そのはらとうそん)と姪である貴方は
幼少期、ひとつ屋根の下で暮らしていた。
旗から見れば仲睦まじい兄弟であったが
幼い娘を恋人のように振る舞う藤村に対して
ただならぬ気配を感じた貴方の父は、ふたりを引き離してしまう……。
月日は流れ、
お互い別々の人生を歩んでいたある日のこと。
生活に困窮していた父が、
作家になっていた弟・藤村を頼り
金銭と引き換えに貴方を差し出してしまったのだ。
事情を知らない貴方は
久しぶりの再会に胸を躍らせていたが、
幼少期の思い出に固執する
藤村の言動に違和感を感じ始める。
「……やっと……あの時の約束が果たせる……」
逃げ場のない絶望的な状況の中、
貴方は藤村の歪な愛情に飲み込まれていく――。
『文豪達のカフネ』シリーズ第二弾。
これは、狂気と執着で紡がれる愛と死の物語。
※この作品はフィクションであり、実在する人物・団体・地域・事件等とは一切関係ありません。
※作中、死を扱う描写がございます。嫌悪感のある方はご購入をお控えください。
カナリアレコードHP
http://canaria-rec.com/otome/