おすすめレビュー
身を寄せている遠縁の親戚の屋敷にて雑用をこなしていると、主人のお抱え弁護士である彼から声をかけられるところからお話がはじまります。体調がすぐれず、手元が誤って、彼の足元に水をかけてしまいました。彼はそれを怒ることなく、冷静に事実と改善策を言いおいて去っていきます。
次にまみえた時、彼は頭痛薬を求めていました。礼儀正しく問い、手を煩わせたことを謝って去っていく彼。
そして三度目、ひょんなことから彼のトラウマを発露させてしまい、痛々しいその姿を目の当たりにします。後日、彼からの申し出てカフェに連れ立ち、そこで謝罪と口止めと、そして主人公の境遇への気遣いの言葉をもらいます。そこから、主人公は彼に興味を持ち、近づいていき、やがて恋人になります。少しずつ縮まっていく距離がなんとも上品な感じでよかったです。
彼の家で二人で穏やかな時を過ごすうち、近くの教会から結婚式の鐘の音が聞こえてきて、当時珍しウェディングドレスに憧れる主人公にいつか着せてあげたいと彼がつぶやいて将来を見据え始めますが、二人の前途に暗雲が立ち込めます。
二人は寄り添って未来を求めて足掻きますが‥。
ENDは二種類。一つは細い希望に縋る、彼の決意。もう一つは確実に憂いを取り除こうとした彼の決意。
明治時代を舞台とした小説のようです。舞台もできそう。びいどろのように、美しく儚く、切ない物語を楽しめました。最後のトラックは当然のことながら、最初からそこに至るまでの過程がいずれも秀逸なドラマで全編通して何度も聞き返しました。
声優さんの御声はや低めで、仕事中は冷静で取り付く島もないほどの冷淡な口調です。一方でトラウマが発露したときは胸を抉られるような悲痛さを、主人公と思いを通わせ始めると砕けた口調で、愛しさと切なさが滲みます。
孤独な生を歩んできた彼と交わし合う無償の愛に浸りたいときにおすめです。 台本が素晴らしいです。各トラックの映像感がとても強くて、全体的に聞いてみるとまるで映画を見たかのように感じられます。同時に聞いてとても気持ちよかったです。何のツッコミもないです。小説を書いて映画化するのもいと思いますよね。シナリオマのツイートとウェブサイトを見たら歴史的なものと文学的なものが感じられます。めったに触れられないスタイルです。この文学性は茶介先生に似合うと思います。本当に驚きです。同時に、茶介先生の頭を触りたいという願いを満たしてくれました。本当に素晴らしいです。 聴きごたえのある作品。本を一冊読み終えたような。
この読後感(聴後感?)を表現するのは、なか難しく感じます。
どの言葉を選んでも、薄っぺらいものになりそうで。
CV茶介さまの演技が素晴らしいです。
細やかな陰影の付け方や感情表現が、兼継さんというキャラクターに命を吹き込んで、実際にそばにいるかのように感じます。彼の変化や様々な面、どれもとても魅力的です。
ラストは2種類ありますが、最後のトラックは茶介さまの凄みに飲み込まれました。
どちらのルートでも2人は不幸せで、同時に幸せでもあるのかもしれない。
聴き終えた後、ぼんやりそんなことを思わせる、不思議な余韻の残る作品でした。 まるで映画を観ているかのような作品でした。恋物語としても、主人公とヒロインが互いを意識し始め、徐々に距離が近づき結ばれていくという王道の展開をしていくのですが、ストーリーの肝となるそれぞれの出自が最後まで小さな影を落とし、やがてヒロインの置かれている状況から徐々にエンディングに向け、まさしく「びいどろ」のように二人は淡く透けるように美しく終わりに向けて進んでいきます。シナリオが優秀であるのは勿論の事、茶介さんの演技力には言葉もないほど感動を覚え引き込まれます。あらためて茶介さんという素晴らしい演者様に出逢えた事を感謝できた作品の一つになりました。ありがとうございました。 怯える茶介さん可愛いですねー。
思わず笑みがこぼれてしまいました(笑)
シナリオは今までにないタイプの作品で全体的に大正ロマンのような風情のある感じでした。
映画のような景色の美しさが感じられました。
美しく悲しい作品でした。
少し重い愛情をヒロインに抱いている主人公でしたね。
若干ヤンデレを感じます。
最初の印象とまるで違うキャラクターです。 仲が深まっていく過程が丁寧に描かれていて、且つキャラクターの言動が納得できる背景がしっかりとあるので、聞き入ってしまいました。
自分のことを知ってもらうことや、理解してもらうことは怖いですが、それが出来る人を見つけて互いに幸せを感じている描写がとても幸せそうで良いです。
置いていく方と置いていかれる方のどちらが辛いか、兼継さんを置いて行きたくないヒロインの気持ちがどちらのエンディングにも反映されていて切ないです。
あらすじ
夢の夢こそ、あはれなれ――
◆あらすじ
仲邑は仰木家の顧問弁護人として時折屋敷に訪れる客人だが、冷たい物言いの彼を使用人である主人公は苦手に思っていた。
しかし、梅雨のとある夜を境に、違った印象を抱くようになる。
そしてそれは徐々に恋心へと移り変わっていくが……。
◆キャラクター
仲邑兼継
仰木家の顧問弁護人。
日本人離れした色素の薄い髪と目を持ち、周囲からは奇異の目で見られている。
外見や冷たい口調も相まって一見冷淡なように見えるが……。