おすすめレビュー
シリーズ全て履修済みです。今作は歴史の背景や相関係など、これまでにちりばめられた様々な要因が回収されていくチャプターでした。
チャプター1-3は単独でも楽しめますが、4、5はシリーズを通してキーワードや人物の相関係が見えていた方が楽しめると思います。
物語の始まりは2年前、幽閉されていたヒロインがヴィクトルに救い出されるところから。
ヴィクトルはそんな地獄から救い出してくれる救世主なわけですが、柔らかい物腰の中の食えない感じや読めない感じが只者ではないと予感させて、入りからわくしました。
物語に合わせヴィクトルの思惑や真実が少しずつ明らかになっていくなか、ただ憎悪に流されて彼についたかに見えたヒロインが、実際はしっかり思考し見極めようとする芯を持った人だったとわかるシーンがとてもよかったです。
こで信頼という橋がっちり掛かった感じがしました。
物語が進むにつれ、飄々としながら罪を背負って突き進もうとする表のヴィクトルと、感情を露わにする等身大のヴィクトルの鬩ぎ合いが見えてきます。
遂にエネラウス解放に向けた作戦が実行され、アインへリアルについての情報を残さないために技術チームを一酸化中毒で殲滅するんですがその徹底ぶりに一瞬あっけにとられてしまいました。
容赦ねえ…だがそれでこそ本気の反旗、恋愛シチュエーションだからと甘くない描写に感嘆です…
そして無二の友マックスとの対峙。
殺し合いこそしない淡々とした交渉でしたが、容赦無い詰め方は本気の敵対であると感じましたし、その中にマックスという人間への信頼が垣間見えて熱いシーンでした。
これからそれぞれの立場で正義を貫いていってくれる未来を予感させてくれます。
特典ではライオネル(ヒューゴ)の意外な素顔やそれを語るヴィクトルの兄の顔が見られてほっこり。 5作に渡り展開されてきた本シリーズ最終話。
黒幕であるジュリアスと共に締めくられる物語です。
今作は前作までとは異なり、アインヘリアルではない2人が主役。
自分を助け出した恩人でありながら、耳元で自分の憎しみに火をつけた人物。
その底が見えない言動にゾクしながら彼の動向を見守る事となりました。
対立し続けてきた2国の真実。壮絶いう言葉では到底表しきれないジュリアスの半生。彼の覚悟。
それを受けたヒロインの覚悟。彼女自身も決して受け身ではないのがまたかっこいんです。
今までの4作以上に重たい話にのめり込みながら拝聴しました。
特に1作目から聞いてきた身としては、こまで点として散りばめられてきた要素が1つずつ線となり、繋がっていくのが本当に楽しかったです。
メインストーリーには、3作目のヒーローのヒューゴ、4作目のヒーローのエヴァンズ大佐も(声無しですが)登場しています。まさにこの世界の集大成。
演者さんのお芝居やBGMも相まって、名作映画を見ているような錯覚に陥る事間違いなしです。
もちろんシチュエーションCDならではの恋模様もバッチリです。
彼の告白シーンには心臓を鷲掴みにされてしまいました。
大国を敵に回し、政治のパワーバランスをひっくり返すことをもくろむ全ての黒幕。そう思って聞き始めましたが、蓋を開けるとそこにはただ誰かに愛されて誰かを愛する幸せな生活を送りたいと望む1人の青年がいました。
愛に飢えた彼が、どうかヒロインちゃんによって満たされ、彼の黄昏を迎えられることを祈っています。 待ち焦がれたはずのChapter.5でしたが、いざとなるとなか再生ボタンを押せないものですね。
衝撃だったChapter.4のラスト。
ジュリアスは親友のエヴァンズ大佐をどう迎え討つのか。
自分なりに考察していたつもりでしたが、やはり想像を超えて苦しいものでした。
今回のヒロイン(少尉)は今まで一番不憫で辛い過去を持っています。
実験のせいでアインヘリアルになり損なったばかりか常時発情した状態で四肢を拘束されたま幽閉。本当に胸クソ悪いですね。
それを救ったのがジュリアス。 きっと彼女には天使のように見えたのかもしれない。
でも目的のために彼女を利用しようと言葉巧みにさやく姿は堕天をそのかす悪魔のようでした。
今回はふたりともアインヘリアルではないので発情の処理はありませんが、実験のトラウマに苦しむ少尉を慰めるシーンはあります。
物語が進むにつれ、張り巡らされていた伏線が回収されていきます。
明かされるジュリアスの過去。ヒューゴとの関係。
点と点が繋がれば繋がるほど、エヴァンズ大佐と争ってほしくないと、私が淡く抱いていた願いが消えていく。
それほどにジュリアスが背負っていたものは重かった。
自分は利用されていると知りながら彼に寄り添う少尉を見るのは辛かったけど、ある彼女の行動に取り乱し、感情を制御できなくなったジュリアスは人間くさくて素敵でした。
そして物語はこから終末の日へ。
衝撃と惨劇に頭が追いつきません。
エヴァンズ大佐と対峙するシーンでは辛すぎて一度イヤホンを外してしまいました。
黄昏から夜明けは来るのか、太陽はどちらに登るのか・。
余韻が絡みついて離れません。
特典はほのぼのしてます。
あの人のオモシロ情報有りです。
エッチシーンの感想
ジュリアスさん、舌技がねちっこい。 少尉も感じやすいですが、ジュリアスさんはそれ以上かも。喘ぎを含んだ吐息が上下左右から襲ってきます。熱々なのでご注意下さい。
あらすじ
このキスに、死と等しき忠誠を――
強大な軍事力を誇る大国オルテシア。
幾度となく隣国と戦火を交えてきたその国は今、軍上層部にある研究を進めさせていた。
それが強化兵「アインへリアル」。極秘エリア「ヴァルハラ」に集いし、オルテシア軍の切り札である。
強靭な肉体や不屈の精神と引き換えに、発情と凶暴化という代償を背負った「アインへリアル」には、
その熱を慰め激情を鎮めるパートナー「ベター・ハーフ」の存在が必要不可欠だった。
新たに「アインへリアル」となり「ヴァルハラ」の門をくぐったあなたは、自らの「ベター・ハーフ」と共に軍の暗部を垣間見る。
忠誠か、裏切りか
しかして、その行く末は――
軍事大国オルテシアでシステム工学を学んでいたあなたは、ユーグリンド戦役で故郷も家族も友人も全てを奪われた。
せめて祖国の役に立ちたいと軍に志願したあなたは、やがて優秀な技術士官として兵器開発部で頭角を現す。
だが新兵器開発中の事故で負傷し、治療時の検査によって軍が極秘裏に研究している強化兵「アインヘリアル」の適性が見つかったことで、運命は大きく狂い始める。
まだ実験段階にあったプロトタイプの人工細胞を投与され強制的にアインヘリアル化させられたあなたは、
「過剰分泌されるPT(疑似テストステロン)によって常時発情し続ける」という、失敗でありながら極めて特殊なケースとなった。
生体サンプルとして研究所に幽閉され耐え難い苦しみに苛まれながらも、自らの犠牲が誰かの役に立つことだけを願い続けていたあなた。
そんなあなたの前に現れたのは、新たにアインへリアルの研究責任者となったジュリアス・ヴァレンタインだった。
ジュリアスの手で苦しみから解放されたあなたは、ある「真実」を告げられる。
信じてきた全てを揺るがすその「真実」に激しく動揺するあなただったが、自らの目で見定めるため、
二年の時を経てアインへリアルの研究が行われている極秘エリア「ヴァルハラ」へと赴く――。
トラック1 Two years ago
トラック2 Flashback
トラック3 Consolation
トラック4 Origin
トラック5 Inferno
トラック6 Will
トラック7 Vigrid
トラック8 Ragnarok
●特典音源『Day Off』
働き詰めのあなたに休暇を取ることを命じ、気晴らしに連れ出したジュリアス。穏やかな時間を過ごした二人の距離は、自然と近づいて――。
※この特典には本編の重大なネタバレが含まれるため、本編後にお聴きになることを強く推奨いたします。
●録り下しショートボイス『Morning KISS』