おすすめレビュー
大好きなモノクロスカイさんの新作ということで、初めて情報が公開されてからずっと楽しみにしていました。
蓮深くん、なんていじらしいの!
種人を拒絶し突き放すような態度のくせに、
一瞬口付けを受け入れる素振りを見せたり、
寂しげに離れるなと言ってきたり。
そんな態度の理由を知り、彼の葛藤を想像すると胸が痛いです。
喘ぎながら声を上げて笑っていた、その声にもなんだか諦めのようなものが混ざっているようで、こうした細かい演出から蓮深くんの心情が伺える丁寧な作りになっています。
あのときこう考えていたのかな
本当はなんて言いたかったのかな
など想像すると、あまりにもいじらしくてたまりません。
CVは立知さんということで、言わずもがなすごくえっちで可愛いです。
喘ぎ方一つに意味を持って使い分けされているそうで、プロ意識の高さに脱帽。
繊細な演技によって
花人の運命、恋情、自責の間で藻掻く等身大の蓮深くんが
まるで目の前で生きているかのように感じます。
大浄化の儀の後、頭を撫でられて
「アンタがしたいのなら許可してやる」
と笑うのがすごく良かった。
口付けに怒っていた台詞と対照になっていると思うのですが、
想いが通じ、自責から解放された
これが本来の蓮深くんかと思うと愛おしくて仕方ないです。
最後の演出も、胸がじんわり温もって
台本も照らし合わせると涙が止まらなくなるので
本当に聴いてみてほしい。
別れを描いた作品ですが決して悲恋ではなく
後味に悲壮な感じはありません。
むしろ彼らの健気な愛の温もりに心が満たされます。
その切なくも優しい余韻を引き摺って、
彼らのことを考えるたび、作品に触れるたび泣いてをずっと繰り返しています。
どんな言葉をもってしても足りないほどに素晴らしい作品でした。
こんなにも素敵な作品を世に送り出して下さって本当にありがとうございます。
この作品に出会えたのは間違いなく幸せです。
秋葉編もすごく楽しみにしています。
あらすじ
この世界は瘴気の毒であふれていた。
それを吸うだけで人の身体は焼けるように穢されて、瞬く間に命に関わるほどの汚染体となってしまう。
これは遥か昔に大地の神・地母神の怒りを人間が買った、神罰の為であった。
しかし、地母神も完全に人を見捨てた訳ではない。
それが【花人】という瘴気を浄化できる女性と、花人が人の中から選定して成るという【種人】の存在。
地母神が人に与えた唯一のお慈悲である。
だから人々は今、
瘴気という神罰の名の下で毒に怯えながら、花人が生まれる場所に集落をつくり、限られた範囲の中で生活をしていた。
花人が20年ごとに行うという【大浄化の儀】を待望としながら――。
【蓮深編あらすじ】
青年は、自分の身体に異変が起きている事に気がついた。
自らの下半身に、あるはずのない「女性器」ができていること。そして、これは今の花人から種人に選ばれたのだということにも。
種人、それは花人に選ばれる事で成れる、村にとって大変栄誉ある存在。
これから瘴気の浄化を行う花人の心の拠り所となり、傍で世話をする者の事。
(驚いたけれど、花人様が俺を選んで下さったんだ。村の皆も瘴気から救う事ができる。…喜ばなくては)
青年がそう決意したのと同時に、花人が住んでいる屋敷の者が青年を迎えにやってきた。
彼らに導かれるまま、青年は屋敷へと赴き、そして花人のいる部屋へと入っていく。
そこには、美しい顔をした”青年”が座っているのだった…。
和風ファンタジー×純愛リバーシブルシチュエーション
【散華~蓮深編~】